株式会社ヤマザワ
「地域の大切なお客様」でもある従業員のために。山形の老舗スーパーマーケット・ヤマザワの労災二次健診という挑戦
2026年8月7日
導入前の課題
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複雑な選定と膨大な事務負担
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労災二次健診の優先度低下
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再検査・二次健診の未受診率
導入後の効果
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専任担当者の業務負担を大幅カット
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柔軟な巡回健診への変更で受診機会を確保
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質の高い保健指導による満足度の向上
導入
ヤマザワは、山形県と宮城県にスーパーマーケット「ヤマザワ」を62店舗展開する地域密着型の企業です。約4000人の従業員の健康づくりに注力する同社は、2021年より継続して「健康経営優良法人」の認定を受けています。
広大な店舗網に多くの従業員を抱えながら、いかにして健康管理を実現しているのか。また、どのような背景で、初の「労災保険二次健康診断(以下、労災二次健診)」の実施に踏み切ったのか。
DMMの「労災二次健診活用支援サービス」を利用したヤマザワの看護師である渡部早苗さんにお話を伺いました。
4000人の従業員も「地域のお客様」
——御社の事業内容と従業員の健康管理に対する考え方を教えてください。
渡部さん:山形県に本社を置く当社は、山形県と宮城県で「ヤマザワ」というスーパーマーケットを展開しています。現在は両県に62店舗あり、パート・アルバイトを含め約4000人が働いています。1962年の創業以来、「お客様に安心と豊かさを提供し、地域の健康元気を応援するとともに従業員一人一人が輝く企業を目指します」という経営理念を掲げ、従業員に支えられながら地域に根差した経営を続けてきました。
私たちにとって「地域のお客様」というのは、お店に来てくださる方々だけではありません。当社で働いている従業員もまた、この地域の住民であり、大切なお客様の一人です。従業員一人ひとりが健康で、長く生き生きと働き続けられる環境をつくることは、大事な経営方針の一つだと考えています。
——具体的にどのような健康経営の施策に取り組まれているのでしょうか。
渡部さん:身体的な健康面では、定期健診の受診率向上に積極的に取り組んでいます。店舗を回る巡回健診を行ったり、各地域の健診センターを利用したりと、従業員が受診しやすい環境を整えています。さらに受動喫煙対策として敷地内全面禁煙も実施中です。
一方、心の健康面では、2021年からはストレスチェックをWEB化し、この結果をもとに職場環境の改善や様々なメンタルヘルス対策にも取り組んでいます。従業員の心身の相談に寄り添うため24時間悩みを相談できる外部相談窓口も設置しています。
——御社のHPに公表されている健康経営KPIを拝見すると、2022年度は89.1%だった健康診断受診率が2023年度には98.0%まで伸びています。どのような工夫をされたのでしょう?
渡部さん:この時は、店舗ごとに作成した定期健診未受診の方のリストを各店長に送り、受診のフォローをお願いしました。ただ、定期健診の対象者は3000人以上いる一方、担当である看護師は私一人しかいません。リソースには限界があるため、このような働きかけができない時は、思うように受診率が伸びないこともあるんです。100%の受診率を達成するため今も試行錯誤を続けています。
——定期健診で異常が見つかった方が対象の二次健診の受診勧奨にも注力していると聞いています。
渡部さん:二次健診の対象になった従業員には受診勧奨シートを渡しています。加えて、特にリスクの高い対象者から⼆次健診の受診報告がなかった場合は、複数回にわたって[歩橋1.1]受診勧奨を行なっています。ただ、当社としては従業員には健康を維持した上で働いてもらいたいのですが、なかなか病院受診していただけない方も一定数存在します。彼らにどうアプローチするかは今後の課題です。
煩雑な業務が「労災二次健診」の実施を阻んでいた
——今回は新たな取り組みとして労災二次健診を実施されました。どのような背景があったのでしょうか?
渡部さん:労災二次健診という制度自体は、もちろん以前から知っていました。従業員の脳・心臓疾患のリスクを早期に見つけるために非常に有効な制度ですし、できるならやりたいという気持ちはありました。
しかし、この制度を利用するためにはいくつもハードルを越えなければなりません。そもそも対象者の選定が複雑で、この対応だけでもかなりの手間がかかります。定期健診を担う全ての健診センターが対象者を知らせてくれるわけではないため、大半の対象者は自分たちで選定しなければなりません。ほかにも書類の準備などの膨大な事務作業も発生します。私一人で対応できる範囲をゆうに超えていました。
結局、義務である法定健診の対応が優先になってしまい、労災二次健診は後回しにならざるを得なかったというのが実情なんです。
DMMさんの「労災二次健診活用支援サービス」の利用を決めたのは、対象者の選定から受診勧奨、予約の調整まで、事務作業のほとんどをお任せできたからです。しかも、国の給付制度を活用するため、会社側にも従業員側にも費用負担は発生しません。そのため社内で承認を得るのも非常にスムーズでした。
高い満足度につながった丁寧な保健指導
——実施にあたって、特に不安はありませんでしたか?
渡部さん:当初は各店舗周辺の医療機関と提携して実施する予定だったのですが、予想以上に対応いただける機関が少なく、「あれ、大丈夫かな?」と思った瞬間はありました。ただ、DMMさんが柔軟に巡回健診に切り替えてくれたおかげで、最終的には問題なく希望者全員が労災二次健診を受けられたので安心しました。
そのほかの部分は、特に不安なく進められたと思います。特に当日は会場の設営から運用まで、すべてDMMさんが担ってくれたので、私はほとんど何もしていません(笑)。多くの作業をお任せできたので本当に助かりました。
——実際に受診された従業員の方々の反応はいかがでしたか?
渡部さん:実施後のアンケートの結果、満足度は5点満点中4.86点でした。頸部のエコーなど普段の定期健診では受ける機会がない検査が含まれていた点もそうですし、なにより保健指導の質が素晴らしかったようです。
一般的な保健指導では、一人あたりに割ける時間が限られているため、どうしても形式的な指導になりがちです。一方、今回の労災二次健診の保健指導では、事前の問診アンケートをもとに丁寧なアドバイスをもらえたため、従業員も自分ごととして受け止めやすかったんだと思います。
「改善に向けて何をすべきか明確になった」とアンケートで回答する従業員もいて、私にも満足度が伝わってきました。
「体の健康」と「心の健康」。相乗効果で目指す健康経営のさらなる進化
——労災二次健診の実施を受けて、今後の展望を教えてください。
渡部さん:今後もDMMさんの力をお借りしながら労災二次健診は実施していく予定です。その上でまず受診率を高めたいです。今回の対象者約200人のうち実際に受診した従業員は5割ほどでした。要因の一つとして、やはり制度に対する理解度があったのではないかと考えています。
そもそも制度の名称が良くないですよね(笑)。「労災」と付いていると、どうしても「私は仕事で怪我をしていないのに、なぜこの案内が来るのか」「支払っている保険料が高くなってしまうのでは」と構えてしまう従業員が多いんです。こういった誤解を解くことも含め、制度の理解を深めるような周知に力を入れていきたいです。
——健康に関する取り組み全体ではいかがでしょう?
渡部さん:メンタルヘルスのケアにもより力を入れていきたいと考えています。現在、ストレスチェックの受診率は半分ほどに留まっており、受けていない従業員の心理にどう寄り添うかが悩みどころです。任意だからという面もありますが、「受けても何も変わらない」という諦めや、心の内を見せることへの抵抗感があるのかもしれません。
しかし、ストレスチェックは自分の心の状態を可視化できる貴重な機会です。どうすれば敷居を低くし、気軽に利用してもらえるようにするか。こちらも大きな課題だと思っています。
今回の労災二次健診を通じて健康意識の高まった層が、ストレスチェックにも関心を持ってくれるようになれば、非常に良い相乗効果が生まれるのではないかと期待しています。
※医療行為提携医療機関が行っております。