株式会社ウッドワン

経営リスクも早期発見へ。ウッドワンが期待する「労災二次健診の価値」

2026年8月7日

経営リスクも早期発見へ。ウッドワンが期待する「労災二次健診の価値」

導入前の課題

  • 事務手続きと調整の業務過多
  • 従業員の受診に対する後回し傾向
  • 若年層を含む生活習慣病・健康リスクの潜在

導入後の効果

  • 外部サービス活用による業務負担軽減
  • 巡回健診や指定機関活用による受診促進
  • 社内全体の健康意識底上げとリスク可視化

導入

無垢建材で国内トップシェアを誇るウッドワンは、植林から加工・販売まで、木材の一貫生産体制を強みに持つ総合木質建材メーカーです。同社は現在、「健康経営優良法人」の認定取得を目標に掲げ、会社一丸となって健康経営を本格化させています。
 
そして、その一環として同社が初めて実施したのが、脳・心臓疾患のリスクを早期に特定する「労災保険二次健康診断(以下、労災二次健診)」です。ただ、同健診の実施には膨大な事務手続きや調整業務が伴い、躊躇してしまう企業も少なくありません。
 
社内リソースが限られる中、同社はDMMの「二次健診活用支援サービス」を利用して、どのようにこのハードルを乗り越えたのでしょうか。総務人事部安全衛生課課長の嶋矢 耕二さんと保健師の岡 巴恵さんにお話を伺いました。
 
 

森を育てるように「人」を育てる。ウッドワンが掲げる健康経営

——はじめに、御社の事業内容と健康経営に対する考え方を教えてください。
嶋矢さん:当社は広島県廿日市市に本社を置く総合木質建材メーカーです。最大の強みは、自ら森を育て加工・販売までを行う一貫生産体制で、無垢建材では国内トップシェアを誇っています。ニュージーランドの広大な自社森林で30年かけて育てた「ラジアータパイン」を加工し、フローリングや内装材、ドア、階段、キッチン、洗面化粧台、構造材など、さまざまな木製住宅用建材を販売。良質な木材製品の安定供給と、育てた木を無駄なく使い切るサステナブルなモノづくりを両立しています。
 
こうした製造や販売の現場を支えているのは「人」です。従業員が健康で長く働き続けられる環境を整えることは、企業価値の向上に直結する重要な経営課題だと捉えています。そのため2026年度より健康経営を経営戦略の一つとして位置付け、「木が年輪を重ねて太く強く育つように、従業員一人ひとりの健康を基盤とし、未来へ向かって挑み、成長できる組織づくり」を推進しています。
 
岡さん:具体的には、まずは定期健康診断の受診率100%を目指し、3年ほど前から積極的な受診勧奨を行なっています。特に、再検査の対象になった従業員に対しては受診が確認できるまで何度も連絡を取り、その際は埋もれがちなメールはあえて使わず、手間をかけて手紙による受診勧奨を行なっています。

それでも完了しない従業員には所属組織の上長に報告し、受診を促しています。放置できない健康状態の従業員を動かすには、こうした粘り強いアプローチが欠かせません。
 
また、従業員の高い喫煙率を改善するため、禁煙外来治療費用の補助制度も新たに導入しました。今年5月31日の世界禁煙デーに実施した全社一斉通達を皮切りに、目標である喫煙率35%以下を目指していきます。
 
——「健康アプリの導入率50%」というKPIも掲げています。
岡さん:当社に自動販売機を設置している飲料メーカーが提供するアプリを使用しています。自動販売機を導入する企業は無料で利用ができて、さらに健康的な生活を送ることで貯まるポイントを使えば、従業員は自動販売機の飲み物が1本無料でもらえるんです。導入コストがかからず、かつインセンティブ設計もされている。従業員の日頃の意識を変えてくれる良いツールです。
 
 

「健診側」と「企業側」を知る保健師のジレンマ

——今回、労災二次健診を実施された背景を教えてください
岡さん:実は、前職では健診施設の保健師をしていて、そこでは労災二次健診の受け入れも行なっていました。脳と心臓疾患のリスクを早期に見つけられるこの健診は、当時から会社と従業員の双方にとてもメリットがあるものだと思っていたのですが、実際の申し込みは予想以上に少なかったんですよね。

その後、今の企業側の立場になり、いかに実施のハードルが高いかを痛感しました。やはり企業のリソースが限られていて、新たに発生する膨大な事務手続きに対応したり、受け入れ先の健診機関と調整を重ねたりするのが現実的に難しいんです。約1200名の従業員の健康管理を担う中、制度をよく知っている私でさえ「とてもじゃないけどこれ以上業務を増やせない」と躊躇してしまい、ジレンマを抱えていました。
 
だからDMMさんから「二次健診活用支援サービス」の提案をいただいた時、大半の業務を任せられると聞いて、すごいサービスだなと思ったんです。上長である嶋矢にも「このサービスを使って労災二次健診にチャレンジしたい」とすぐに共有しました。
 
嶋矢さん:岡からこの話を聞いた時、特に気になったのは企業側の業務負担はどのくらいなのか、本当にコストなしで任せられるのか、という2点です。逆に業務対応が増えてしまっては本末転倒です。ただ、担当の方と何度かやりとりさせてもらい、最終的にはこうした懸念点も解消されました。当社の従業員の健康意識を高めてくれるはずという期待もこめ、「健康経営の第一歩」として利用を決めました。
 
 

労災二次健診の実施がもたらした健康意識の底上げ

——実際に実施してみて、いかがでしたか?
嶋矢さん:初めての労災二次健診の取り組みだったこともあり、当初想定していたよりも工数は発生してしまいましたが、実施においては大きな混乱もなく、対象者の多くが受診してくれたので実施して良かったです。
 
岡さん:スムーズな健診を実現したいと考えていたので、まず事前の社内通知は徹底しました。実施前には労災二次健診の制度を解説するチラシを社内ネットワークを通じて従業員に共有しています。工場勤務の従業員に対しては、管理職が出席する月一度の安全衛生委員会で詳細を説明し、部下の方々への受診を促してもらいました。
 
嶋矢さん:その上で、従業員の多い本社と豊橋工場は巡回健診を実施できたので、受ける側の負担はだいぶ軽くなったと思います。
 
実は今回、私も労災二次健診の対象者でした。所属拠点最寄りの提携の医療機関で健診を受ける形だったのですが、労災二次健診が指定医療機関でしか受けられない理由もあり、思った以上に距離が遠くて、正直なところ「行くのが面倒だな」と思ってしまったんですよね(笑)。当事者になってみて、巡回のメリットや健診を受けられる医療機関の距離がいかに受診のモチベーションに影響するかを痛感しました。
 
岡さん:今回の労災二次健診の実施は、従業員の健康意識を全体的に底上げする良いきっかけになったと思います。たとえ通常の定期健診で「要経過観察」と診断された従業員でも、「血圧」「血中脂質」「血糖」「腹囲(またはBMI)」の4項目に異常があれば、労災二次健診の対象になります。

「自分はまだ大丈夫だろう」と油断していた従業員も、今回対象者になったことで、自らの健康リスクをいっそう意識するようになったと思います。もちろん受診しなかった従業員もいますが、労災二次健診の対象者であるという通知を通して、彼らも自身の健康リスクを以前より認識するようになったはずです。
 
 

若年層の意識改革から経営リスクの回避まで。労災二次健診がもたらす価値

——健康に関する取り組みに関して御社の展望を教えてください。
岡さん:まずは健康経営優良法人の認定取得を目指します。定期健診の受診率や喫煙率など各KPIの達成に向けた社内施策を進めつつ、従業員のさらなる理解を促すため健康に関するセミナー動画の制作にもチャレンジしていきたいと考えています。
 
もちろん、労災二次健診も引き続き実施する予定です。当社は若年層の生活習慣病率が意外に高く、この状況を改善するため今年度の定期健診から腹囲と血糖の測定を追加しました。初回に比べて次回実施の労災二次健診の対象者はおそらく増えると思いますが、一方で若いうちから健康への意識を高めてもらう貴重なチャンスです。早期治療に結びつけるべく、しっかりアプローチしていきたいです。
 
——労災二次健診の実施を検討している企業に向けてアドバイスをお願いします。
嶋矢さん:実際に当社がそうだったのですが、役職に就く人間や経営に近い人間が労災二次健診の対象になるケースは意外に多いんじゃないでしょうか。現場の従業員に加え、管理職が健康リスクを抱えている状況は企業にとって計り知れない経営リスクです。

だからこそ健康経営を推進する企業も増えている。国の公的制度である労災二次健診を実施すれば、こうしたリスクの可視化が費用負担なくできます。この点は経営層にとっても大きなアピール材料になるのではないでしょうか。
 
岡さん:労災二次健診は、頸動脈エコーや心エコーといった精密検査や特定保健指導がセットになっています。定期健診に含まれていない手厚い検査や指導がコスト負担なしで受けられるのは、企業にとっても大きなメリット。諦めず、ぜひチャレンジしてみてください。

 
 
※医療行為は医療機関が行っております。

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